ストーリーが何となくわかると、もうわかりますよね、展開は・・・。
そう、多くの方の予想通り、あっけなくおだんごパンは最後の時を迎えるのです。
食べられる運命のおだんごパンですが、賢く、歌を歌って立ち回ったけれど、
きつねは一枚上手でした。
読み終わると、パンがかわいそう・・・とか、おじいさんのものだったのに・・・とか
パンに対する同情のような思いを抱く子が多いですが、
きつねに対してはどうでしょう???
悪者!!と攻めるほど、悪いことをしたわけではなく(最後は食べましたが)
でもきつねは、好きになれない、モヤっとした気持ちが残ります。
けれど、この絵本を読むと、なんだか、大人社会の縮図を見ているようにも思うのです。
暴力を振るったり、相手を攻め立てることを言う人より、上手に立ち回り、巧みに言葉を操り、
そして自分の本当の気持ちをみじんも見せないような人が、
なんだか最後は勝つような・・・
ちょっとひねくれてますかね??
そんな、否定的というかあまりよい気持ちの移り変わりではない本ですが、
私は とても 好きです。
そういう触れたくないような気持ちや感情も伝えてこそ、
本当の正直さとか、誠実さ、優しさを理解することができるからです。
そして、何よりひきつけられるお話しの展開、
じわじわと迫ってくる緊張感がたまらなくスキです。
4歳児位だったら劇遊びにもいいかも!
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